WEB COLUMN

#06阿久津 忠男

焼き物の産地、栃木県益子町で作陶される作家の阿久津 忠男さん。

作陶を始められたきっかけは、

1972年に青山学院大学を卒業した時、

「生まれてから大学卒業するまで積み重ねたものを全て0にして、

何にもない荒れ地でちっぽけな種である自分がどう育ち何になるのか見届けるため」

そして「土を耕しながら暮らし、何も無いところからものを作りたい」という

「自然に湧き上がった欲求」に従って「やきものの道」を歩み始めました。
阿久津さんのうつわは、豪快でいて繊細、そして深い瑠璃色の美しさ。

灰釉や糠釉を用いた器も作陶していましたが、もともと藍色が好きであり

目が覚めるような独特の藍色を魅せる器の釉薬を正倉院の面取瑠璃碗にあやかり「瑠璃釉」と名付けました。
美しいインディゴのような青は、鮮やかな食材を美しく演出し、

真っ白なお豆腐や、色の彩度が高いフルーツ、黒ごま和えなどの渋い色味も合う。

食卓にしっとりした深みを添えてくれます。

重厚感を感じるカップや鉢ではあるけれど、手に取ると軽く、現代の暮らしにも心地よくフィットします。

ITEM

ARTIST

  • 阿久津 忠男 (あくつ ただお)