既存の骨組みを大胆に解体し、家族の動線と豊かな意匠性を融合させたリノベーション。クリエイティブディレクターである施主の奔放なアイデアを、機能美へと昇華させた空間である。 LDKの床にはきめ細やかなバーチ材を配し、造作家具にはシナ突板やメープル無垢材を採用。表情の揃った木質が空間に美しい統一感をもたらしている。また、各居室を2つの開口で結ぶことで、流れるようなシームレスな動線を実現した。 見所は、空間に点在するユーモラスな仕掛け。屋根裏の傾斜を活かした収納上部には、漫画を愉しむための畳スペースと天窓を配置。さらに、住まいの一部として暮らす愛猫のため、開閉式メンテナンス機構を持つトンネルや、家型の小さな専用扉を造作した。ウォークインクローゼットと廊下を繋ぐ高さ790mmの躙り口のような極小建具など、建築的な制約を豊かな遊び心へと転換している。 細部に至る美意識と機能性の追求が、住むほどに味わいが深まり、家族の日常に心地よく馴染んでいく住まいを生み出している。






