リネンサプライやランドリー業界を支える機械設備の設計・製造・メンテナンスを一貫して行う企業の、新社屋内の1階事務所、および2階に位置する社員食堂兼フリースペース、会議室の計画である。1階のレイアウト設計は、部署間の連携効率を最大化することを唯一の目的とした。設計、営業、経営といった各部署の座席配置は業務フローの円滑化を最優先に決定され、社長や会長の執務スペースもこの機能的連携の中に組み込まれている。また、デスクのサイズ感やフリーアドレス用のテーブル、収納といった什器の組み合わせは、作業効率とスペースの有効活用を基準に綿密に検討された。さらに、社内打ち合わせの利便性を高めるためのコンセント配置や、コピー機周りの動線確保など、細部にわたる設備計画がその機能性を下支えしている。対する2階は、単なる福利厚生施設ではなく、対外的なメッセージを発信する戦略的空間として設計された。その目的は、機能性一辺倒のオフィスとは一線を画すことにある。フリースペースのコンセプトは「将来的なワークスペース利用や来客対応も見据え、働く環境の質と企業の姿勢を外部へとひらく場」として位置づけた。鉄粉や汚れが日常的に発生する製造現場の状況を踏まえ、椅子の張地には耐久性と清掃性に優れた素材を採用し、作業着のままでも気兼ねなく利用できる実用性を確保。その一方で、木やレンガ、植栽といった素材の質感を活かし、安心してくつろげる環境を創出している。座席は用途を限定せず、一人での休息から複数人での交流まで柔軟に対応できる構成とした。中央の植栽は緩やかなゾーニングとして機能しながら空間にリズムを与え、テーブルに設えた特注照明は視線を適度に遮るとともに、やわらかな光で空間全体に落ち着きをもたらしている。また、来客用ロビーにも植栽を組み込んだソファを設え、来訪者が落ち着いて待機できる場を確保した。来客用会議室には、長さ3.6mのオーク無垢材のテーブルを据え、鉄水染仕上げによる重厚な表情を空間の核としている。椅子にはコーポレートカラーの青を取り入れ、空間に心地よいアクセントを与えている。