レコードに針を落とす。その音はSANSUIのアンプ、TANNOYのスピーカーを通り、吹き抜けに響き渡る。音楽と本、緑を愛する施主ご家族が理想とする住まいは、空間のあり方を自身の「暮らし方」と照らし合わせ、無駄を最大限に削ぎ落とすことで完成した。5mの吹き抜けを持つLDKは、白壁とグリッド状に組まれた木板がモダニズムの端正な表情をつくる。階段下にはブラックチェリー突板とリブパネル扉による、家具のようなレコードスペースを緊密に収めた。ガラスブロックから柔らかな光が溢れる玄関や、テラコッタタイルが足元を彩るミニマルなキッチンなど、各所で細やかな素材の調和が図られている。2階寝室と繋がるルーフバルコニーは、大窓を介して内と外の風景、そして家族の気配を視覚的に結ぶ。住み手のライフスタイルと空間のスケールを精緻に呼応させた、密度の高い住宅である。