瀬戸内海の港を望む小高い山の中腹の平屋の改装である。施主は現在は山岳関係の仕事とフリーランスのアート関係の仕事をしてしており、前職もアートに携わる仕事で、美術館の立ち上げから参加していた。そのため建築にも造詣があり、リフォームに関しても明確なプランを持っていた。そこで施主自身のプランをまとめ、希望以上の提案をしてくれる ELD に相談することとなった。希望は、「家族一緒に、港を見渡せる、遊び心が点在するギャラリーのような空間」。アートに携わる施主らしい希望である。「巾木や建具枠は無くしたい」という具体的な希望に則りつつ、天井を現しとし、窓を高い位置に変更。「点在する遊び心」では、リビング中央の柱は施主自らが選んだ栃の木に差し替え、飾り棚の棚板には耳付きの無垢材を使用。棚の並びも施主夫婦で決定した。有機的なフォルムと質感がシンプルな空間によく映える。玄関の柱の足元に設けられた丸い束石は施主考案で、家に点在する「遊び心」の一つとして佇んでいる。「夕方の港がいいんです、街の灯りと夕暮れの空が」と施主。リビングでコーヒーを飲みながらその光景を楽しむ姿を想像してしまう。