吉備中央町の豊かな自然を望む大開口と、CLTによるダイナミックな木質躯体が響き合う大空間。この建築構造に美しく調和すべく、地域の固有性と精緻な家具技術を融和させた空間コーディネートが試みられた。空間の重心となるキッチンカウンターの腰壁には、地元の土を幾層も突き固めた「塗り版築」を施し、天板は硬質なモルタル風左官塗装で仕上げている。大開口に面したソファ席のテーブルにも同左官仕上げを施し、移ろう借景に溶け込む落ち着きを与えた。置き家具にはオーク材を選定。その中心には、北海道大雪山産の楢突板にオリジナル調合のブラウンを施した台形の「N TABLE」が象徴的に鎮座する。壁面を走るルーバー本棚の緻密な格子ディテールなど、細部の造作がCLTの量感に繊細なリズムを添え、地域性とモダンデザインが深く息づく場を創出している。