景色を見立てる
古代の歴史と自然の豊かさを感じる岡山県総社市。ここでは馴染み深い古墳と田園を臨む土地に計画した平屋住宅である。逆L字に設た同じテクスチャーの外壁と屋根、大開口の窓にモルタルの床面が浮いているテラスといった外観は施主の嗜好と暮らしやすさを意識したものとなっている。居住空間の要であるLDKは緑溢れる開放的な空間。玄関・寝室をガラスの建具で間仕切ることで生まれる緩やかな繋がり。そこに古墳と田園を眺めるピクチャーウィンドー、グリーンを吊り下げる化粧梁など自然を多く取り入れる仕掛けを設けている。ただ、生活道路沿いに面するピクチャーウィンドーは設計時点で懸念していたことであった。そこでテラス床面を浮かせ構造を目隠しとすることで解決。窓からの借景を、落ち着いて楽しめるリビングとなっている。また書斎兼家事室の壁紙やダイニングの照明など、施主こだわりの品が引き立つ家具を造作。コーヒーを淹れ、読書に耽り、植物を愛でる。好きなものに囲まれながら、自分たちの時間を快適に、丁寧に過ごしていく住まいが完成。これからは施主の趣向によって味わい深く育っていく。
- Category:
- HOUSE
- Location:
- Soja , Okayama
- Open:
- 2021
- Photographer:
- Shinichiro Uchida