岡山県児島のデニムブランド「TCB jeans」の拠点は、築40年の鉄骨スレート葺きビルをコンバージョンした、生産と発信が直結する空間である。1階の縫製工場からコンクリート階段を上がると、自然光がダイナミックに注ぐ2階ショールームへと導かれる。内装の主軸をなすのは、力強い黒塗装の鉄骨構造と、ラフな木組みの天井面が織りなす素材のコントラスト。中央に配されたアイアン製の大型サークルシャンデリアが、空間に象徴的なアイキャッチを与えている。見所は、外壁を取り払い大開口のガラス引き戸へと設え直した、ウッドデッキテラスとの連動だ。インドアとアウトドアの境界を融解させ、燦々と降り注ぐ光が、中央の木製什器に並ぶデニムのインディゴブルーを美しく浮かび上がらせる。ワイヤーメッシュのパーティションや斜め張りの古材壁など、無骨かつ精緻なディテールワークが、ブランドの紡ぐヴィンテージの物語に見事な背景を与えている。