垣内信哉さんの硝子の器は、独自のスタイルというものを持たず自由だ。 「過去の自分」にさえ縛られず、「今の自分」の直感をもとに変化し続けている。
吹きガラスへの入り口は、島根県松江市にあるセレクトショップ objects の店内に並ぶ硝子作家、安土忠久さんの作品に出会ってから。その感動を胸に、安土さんに会って弟子入りのお願いをしたところ、キッパリと断られたそう。「お一人で活動されている安土さんから『自分でやってみなさい』と言われ独学で技を習得していきました」と垣内さん。
デザインについては自分が実際に目で見て触って「好き!良い!欲しい!」と思った要素を組み合わせてオリジナルのカタチに仕上げていく。特に工業製品のガラスが好みだそうで、「大きさや角度など細部にまでデザイナーの意思が宿ったデザイン、それに基づいて均一に作られたものが好きなんです」と。その言葉は、ELD のものづくりの理念となる「手作りの工業製品」と相通ずるものを感じる。
ものづくりにおいて、「『技術』とは『慣れ』でそんな難しいことではない」と垣内さんはいう。「難しいと思うことは理想のデザインを形にしていくこと。『良い』を組み合わせても『良い』と思うものが出来上がらない。試行錯誤の結果、新しい『良いもの』が生まれるんです。」垣内さんのものづくりへの素直で真摯な姿勢が、その言葉で伺える。
「デザインが飽きたら作りません。僕はガラスメーカーじゃないから、いいんじゃないですか?」といつも新しいカタチを求めていく垣内さん。今後はうつわづくりだけでなく、照明やオブジェなども作っていきたいそう。
「今後は個展を中心に活動したいですね。自分が飽き性なんで、色々なところで『おーっ何それ?』と感動することが好きなんです。自分の作品でも、お客さんが『おーっ何それ?』と思えるようなものをこれからも作っていきたいです。」
