赤磐市の閑静な住宅街に佇む名店「すし処 ひさ田」の改装プロジェクトである。空間の核となるのは、圧倒的な風格を放つ厚さ60mmのオーク無垢材カウンター。その力強い木肌は、グレーの左官壁や、足元を引き締めるダークトーンのタイル床と美しく共鳴し、従来の「和」に偏りすぎないモダンな空気感を創出。板場との間仕切りに施された緩やかな傾斜は、ゲストの視線を職人の繊細な所作へと自然に導く意匠に。ダウンライトを埋め込んだ下がり天井の周囲から広がる柔らかな間接照明が、空間全体に奥行きと心地よい静謐さをもたらしている。奥に配されたテーブル席も含め、素材の質感を素直に活かしながら、緻密なディテールによってまとめ上げられた気品ある飲食空間である。